◆Final Fantasy XI - ONLINE - |
緋色(管理人)が初めてプレイしたMMO(大規模大多数オンラインゲーム)は、
かのRO(Ragnarok Online)だったが、日本代理店のあまりのレベルの低さと、
すでにログインゲーム…サーバーが混雑しすぎてログインから先に進むことが出来ない。
ログインしても非常に重く、すぐに落とされる。以下エンドレス…に嫌気がさし(このため、ROは当時マゾゲーと……)
商用化される前に止めてしまい、そのあと選んだのはSQUAREのWindows版Final Fantasy XI(以下、FF11)だった。
お金を払ってプレイした生まれて初めてのMMOだったわけだが、良くも悪くも色んな経験をさせてもらった。
もう6月に解約、HDからアンインストールしてしまって、今はもうプレイしてないのだけど、
一時期すごくのめり込んでいて、今でもたまにFF11をプレイしている夢を見たりして(嗚呼…)
色んな意味で、今でも印象深いゲームだったりする。
これ以降のレビューは緋色の独断と偏見で書いてます。
同じFF11をプレイしている方でも、他の方はこれと違う感想を持っていると言うことは重々承知してます。
「それは俺(私)の考えとは違う。だから、お前(緋色)は間違っている」とかいう意見は勘弁してください(涙)。
◆Final Fantasy XI は面白かったか |
色々悪い所も多かったが、そんなことを差し引いても「間違いなく面白かった」の一言に尽きると思う。
気の合うフレンドとの出会い、和気あいあいと楽しい狩り、LSで仲間とつるんだり、気のあった仲間とLSを設立したり…
「よ、今日も会ったね。レベル上げしない?」「お、いいね〜」といつの間にか頻繁にPT組む友人が出来たり。
ログインして、その日、一日中LSのメンバーとダベったり、色んなエリアを散歩したり。
一人で困難なクエストを、数人で協力してクリアーしたり。
涙無くしては語れないフレンドの解約…
これでこそMMO!みたいな感じでした。
ゲームとしても素晴らしいです、
ジョブチェンジすることで、どんな職業にもなれる。(MMOでこれは凄く画期的だと思った!!)
サポートジョブによる、個人差(と言っても、前衛職には戦士、後衛には白魔導士はサポ黒、
他の後衛はサポ白しか選択が無かったようにおもうけど…赤は結構遊べたかも)
MMOとは思えないほどクエストも豊富で、こなしていても楽しい。
レベル毎(およそ10レベル毎)に「ミッション」という節目があり、それを終わらすと、少しづつ出来ることが増えていく。
(飛空挺に乗れるようになったり……初めて乗ったときは、めちゃ感動したものだ)
そして、最後にはラスボスである「闇の王」との戦いが待っている。
ストーリーもしっかりしていて、MMOには無い、こういったRPGのような物語がゲームに存在していて、
それが破綻してない事がすごく素晴らしい事だと思う。
あと、言うまでもないけど、そのグラッフィクの美しさ。
ひたすら美しい。ハンパじゃなく美しい。
このグラフィックを楽しむためだけにFF11を買ってしまうのもアリかな、と思ってしまうほどである。
操作性に関しても流石天下のSQUAREです。快適でした。
もちろんUSB接続のゲームパット使用です。これがないとキツイかも知れないです。
自分はWindows版から参入でしたので、キーボードとマウス標準ですが、
逆にPS2から始めたプレイヤーは、色々苦労した(している)んだろうなぁ、と思ったり。
おそらく世界中でもトップレベルに入るであろうサーバーの安定度。
そして、すでに恒例になった月一の大規模バージョンアップがいい。
ユーザーの声が盛り込まれて大喜びしたり、しかしそれと同じくらいユーザーに歓迎されないバージョンアップで
一部のプレイヤーを一気に鬱(汗)にしたり、バグも増えたりして、これもまたMMOの面白いところだと思う。
◆Final Fantasy XI はどこか不味かったか |
しかし、ある時点で途端その「面白さ」は緋色の中で失速していってしまった。
「MMO」と「RPG」がごっちゃになってしまい、それ故に限界が出てくる。
本来MMOとは「ゲーム上達成する目標の無い、コミュニケーションゲーム」であるべき
(長期間に渡ってユーザーを繋ぎ止めないと商業的に駄目な訳で)なのに、
「RPG」のようなラスボスが存在するわけである。
そしてSQUAREも闇の王を事実上のラスボスとして、FF11を制作していた節があるとか。
「ゲームとして面白かった」のは、初めてフィールドに出て敵と戦ってレベルを上げ、
初めてPTを組んで、みんなで協力してサポアイテムを取り、ジュノに入ってチョコボ免許を手に入れ、
クフィムでレベル上げ〜サポを上げつつミッションをこなして「最後に闇の王を倒す」、という、
いわば黄金期の事だったと思う。
緋色がゲームとしての本当に面白かったのは、ここまでだったと思う。
それを終えてAFを揃えて、高レベル(60以上)になったとき、残されている物は
「ただ目的のない退屈なレベル上げ」と「違うジョブで1からやり直し」「残ったクエストの消化」だった。
これ以降、FF11はフレンドやLSとの会話や遊び等がメイン、
レベル上げよりも「コミュニケーションツール」としてのみ使用されることになってしまった。
ログインしたら、何をするでも無く適当にLSとダベったり、競売をぼーっと覗いたり、
いきなりの「白魔導士さん、どうか助けて〜」ヘルプでクエストの助けに行ったり。
「HNM」を狩ると言う選択はあったが、それは一部の高レベルが集まったHNM用のLSに独占されており、
普通のプレイヤーが相手に出来るものではない、一部の特権みたいなもの。
BCNMという、誰でも挑戦できるHNMステージが出来たが、それに挑むには、
「獣人印章」というものをいくつも集めなくてはならず、メンバー集めにアイテム準備が大変。
負けてもそのBCNMに必要なアイテムがロストするため、かなり厳しかった。
その時、緋色は、結構色々な場所で言われていたことではあるが、
「FF11は闇の王を倒したあとは、オマケなんだ」という事を実感した。
高レベルのプレイヤーに対し、苦労に見合うだけの報酬(楽しみ)がない。むしろ苦労だけが……
これはMMOとしてかなり決定的に不味かったような気がする。緋色はレベル62の途中で辞めたんだけど、
事故で2回死んで数時間分の経験値を失って鬱になってしまい、「これ以上レベル上げて何がある?」と言うところで、
これ以上やることが見つからなくて、解約してしまった。
ひたすらレベルが上がらない。レベル61以上は必死で、どんなに効率よく獲物を狩って
1時間1,500程度(そんなにいかない事がほとんど)。次のレベルまで20,000。
レベルが61→62に上がっても大したメリットは無し。
はっきり言って、そんな緋色には忍耐力がなかった。
(今は経験値の方式が変わったらしいけど、やっぱり非難囂々だったんだろーな)。
毎回レベル上げるには6人PT(しかもバランスの良いジョブ構成)が必須で、
6人集めるのに30分〜1時間(それ以上かかることも)。それから何十分も時間をかけて狩り場に移動して、
もし狩り場に先客PTがいたら空いてる場所を捜して…なんて事をやってると、それだけで2時間近く。
それで2時間ほど狩ったらPTメンバーが「すみません、そろそろ落ちていいですか?」と言ったら、
5人で狩るのは無理に近いので、また補充か、解散……。
しかも、高レベルでは一度死んでしまうと、レイズがないと4時間分の経験値をロストしてしまう。
そんな事をやってると、さすがに嫌になっても仕方がないと思った。
かといって、ソロでレベル61以上で経験値の入る敵を倒す、なんて事は不可能に近かった。
特に緋色は「白魔導士」をやっていたから。(全力でギリギリ倒せても経験値24程度の「楽な敵」がせいぜい)。
「一人で気軽にレベル上げ出来ない」と言うのも結構辛いものがあった。
開発者は「ソロでも楽しめます」なんて散々そこらでコメントしているけど、
それが嘘っぱちな事はレベル30以上になったプレイヤーなら分かるはず。
本当にソロで可能なのは「獣使い」だけである。30までなら、「ソロでも強い前衛職」ならば、
経験値を貰える雑魚をちまちまと倒してレベルを上げることは出来る。
敵の強さはレベル30を越えた位から、どう考えても「同じ強さ」では無くなり、段々ソロで勝つことが不可能になってくる。
そして魔法が高いのなんの…。白魔導士の金溜めは大変だった…(遠い目)。
レイズ2に至っては、何度も取りに行ったものの、結局手に入れることすら出来なかった。
白魔導士必至なはずの「レイズ2」が簡単に(かなり困難)手に入らない。
ソロで取るのは絶対無理。持っている白魔導士と持ってない白魔導士は
それだけで「良い白」「駄目な白」と区別されて見られてしまう。
何度も取ろうとしても(LSに手伝って貰っても出なかった)、
レイズ2取り野良PTで数回出てもロット負けして結局取れなかった緋色としては、
これだけでどこかが根本的に間違っているとしか思えなかった。
高レベルの趣味アイテム(無くても良い。あったらそれがステータスになって自慢できる。
バーミリオクローク等)はいくら困難でもいいんだけど、こういった白魔導士必須のアイテム入手を
ここまで困難にして、はたしてメリットはあったのか、と思う(FF11自体の延命処置としたら泣けるが…)。
これが解約に踏み切った理由の一つだったりして…。
息の長いMMOは高レベル用に楽しみが用意されている。
ROのPvP、リネージュの高レベルキャラ同士による城の攻防戦しかり、
EQの高レベルリージョンしかり…UOは…知りません(汗)。そういったものがFF11には無かったように思う。
(最近追加されたらしいけど、そこに行くのにまた色々とめんどくさい手順踏まないとダメなんだろうな…)
FF11を制作した時点では、闇の王を倒したあとのことは考えて(作って)無く、
とりあえずサービスを開始して、その後作っていこうとしていたのかも知れない。
まぁ、それがMMOでは普通の事なんだけど。
そう思えば、レベルキャップという概念も理解できるような理解できないよーな。
つまり、もしかしたらジラートが出たら、その「オマケ」の部分にスポットを当て、
もっと完成したMMOになるのだろうか、と思ったわけであるのだが…
これにより「闇の王」以降のミッションも追加されたようである。
闇の王を倒したあと、追加エリアである「ノーグ」に入ると続きのイベントが発生するわけであるが、
「何じゃそりゃ」と思わず画面に突っ込みを入れてしまったのは緋色だけじゃないはず。
しかしこのジラート追加ミッションをこなすためには(おそらく)鬱になるような
レベル61からのレベル上げ作業が待っていると思うと、やる気はとても……。
とても「高レベル向け」とは言えなかったような…。
まぁ、どこにも「高レベル向け拡張パック」と書かれていないわけだけど、
それを期待していたユーザーは多いはず。
しかし、それよりジラートによるマイナスイメージの方が大きかったように思う。
ジラートが出る、出たあたりから、「追加したクエストは敵から出るアイテムが必須」なクエストが多数出てくる。
必ず敵を倒したら落とす訳じゃない、それどころかかなり確率が低い。
辺境行き飛空挺パスの鍵3つしかり、召還士しかり。壮絶な取り合いがそこら中で起こった。
召還士に至っては、レベル55以上ないと、カーバンクル以外の召還獣は取れないと言う鬱っぷり。
侍は何時間によるクエスト待ち。
はっきり言ってストレスしか溜まらなかったように思う。
(こういったクエを作成した時点で、こういう結果になるという予想は出来なかったのか、と問いたい)。
追加エリアに関しても、特に飛空挺でしか行けない「辺境エリア」は、
クエスト以外で誰も集まらない、見事なまでに「辺境」と化し、なんだかなぁ、でした。
ジラート後、解約者続出。
色んな意味で拡張する方向性を間違ったんではないのだろーか、と。
(プロモーションビデオは格好良かったのになぁ…)
追加ジョブの性能に関しては、ニンともカンとも。
新しくレベル1からレベル上げをする精神的余裕は一切ありませんでしたので、ノーコメ。
ととりあえずFF11自体のレビューはこれまでにして、
FF11が商業的にどうだったか、なんてものも一応それなりに語りたいと思う。
FF11の最たる功績はやはり「初めて家庭用向けコンシューマ機でMMOサービスをやった」事に尽きると思う。
メーカーにしてもユーザーにしても、その敷居は低くなかったが
(クローズドボックスであるPS2のCPUやメモリなどの処理限界。PlayStationBB必須等)、
初めて家庭用コンシューマ(PS2)でMMOをやり、ユーザーにPlayStationBBの普及をさせ、
「成功して後続メーカーに道を作った」と言うことは、揺るぎない事実であり素晴らしい功績だと思う。
運用当初は色々トラブルがあったらしいが、いまは素晴らしく安定したサービスを提供している。
そして定期的な大規模バージョンアップ。さすが天下のSQUAREだと唸ってしまう。
その一方、MMOなぞ触れたこともないコンシューマユーザーに、
いきなり大規模MMOを投下したことは正しかったのかどうか、と言われれば、
それが正しかったとは思えない節もある。
かのドラクエも、ファミコン初のRPGとして制作したときは、「いきなりPTプレイはまだ難しいだろう」と言うことで、
まずユーザーにRPGを慣らせるために主人公が一人だったとかいう話も聞いたことがある。
そういう意味では、いきなり大規模MMOを家庭用ゲームでやったことにより、
今までのRPGの感覚でゲームをプレイして「すべてのキャラクターは人間が操作している」事すらも
理解できてないようなユーザーまで多数参加したわけで。
しかもレベル上げには「PTプレイ必須」。ええ、誰が何と言おうとも必須です。
他のプレイヤーを便利なNPCとしか考えてないユーザーが多数存在していたわけで。
この部分に関して、メーカー、ユーザー共に混乱は並大抵の事じゃなかったと思う。南無。
次にWindows版FF11の発売は非常に戦略上正しかったと思う。
…それ以前に、Windows版を出さないと、FF11はとんでもない赤字なんじゃ。
PS2で初のMMOであるFF11(PlayStationBB
Unit必須)が出ると知った時点で、
どんなに頑張ってもPS2ユーザーだけじゃ絶対に赤字なのは目に見えているし、
いずれ赤字を少しでも減らす為のWindows版は、きっと出ると考えていた。
本来こういった大規模MMOは、ある程度常識をわきまえたユーザーが多い(はず)の
PCユーザにプレイされるべきものであるし、「潜在ユーザー数」はWindowsの方が多かったはず。
(ただし、Windows版で遊ぶには当時でハイスペックに位置するPCが必要だったわけで、
万人にとって敷居が低かった、とは言えない部分があったが…緋色は自作PCで、必要環境を満たしていた)
あと、これは緋色の意見だが、なぜWindows版を発売したとき、「Windows版使用者のみのサーバー」を
作らなかったのか不思議でならない。PS2プレイヤーの新サーバー流出は目に見えていたし、
PS2から、色んな意味での問題児も流出してきたわけで。
Windows版専用サーバーなら、ある程度モラル等も守られ、Windows新参入者がマッタリできるサーバーが
できあがったはずだと思うのだけど…。
FF11サービスも本当の意味で安定期に入り、これ以降本当に商業的に成功できるかどうかは
新規ユーザーの獲得&既存ユーザーの繋ぎ止めが必須になってくるわけであるけど、
この後者の部分に関して、FF11は果たして成功するのだろうか…今後のバージョンアップに期待としか言えない。
問題点を色々と上げたものの、このFF11の面白さ、そして中毒性は相当なものであり、
引き籠もりも世間には出てきているようである。
解約した緋色も「このあたりで止めないと、区切りがつかないで止める機会がなくなる」と
自分に言い聞かせつつ解約した節もある。(それでも夢で見るんだから恐ろしいものである)
逆に、このうえFF11に高レベル者に対するちゃんとしたサービスが存在したのなら、
今でも抜け出せないでいるかと思うと、正直ちょっとホッとしている節もあったりなかったり。
とりあえずこういったMMOを未体験の方はやってみるのも一興だと思う。
ネットゲームを介して様々な、本来出会う事もなかった人々と出会いコミュニケーションを取ることは、
それだけで胸がわくわくすることだと思うし、良い経験にもなる。
気の合う友達が出来たら、それだけでずっとゲームが楽しくなる。
MMOは「ゲーム」を楽しめる上に高等な「コミュニケーションツール」としても楽しめるわけで。
麗しかったり、醜悪だったりする「社会の縮図」をいたるところで見ることが出来き、これもまた面白い。
中毒になる要素満載です。色んな意味で麻薬です。
だから、「ゲームはここまで」と自分で自分に線引き出来る方に限りお勧めしたい(汗)。
「MMOをやれ! ただしMMOにやられるな!」
…と一言残してFinalFantasy
XIのレビューを終えたいと思います。
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